騒音・低周波音・振動・悪臭の加害者として名指しされ、苦情を受けている方へ

このような方はこのページをお読みください

騒音・低周波音・振動・悪臭の加害者として名指しされ、苦情を受けている方へこのページは、騒音・低周波音・振動・悪臭の加害者として名指しされ、苦情を受けて困っている方のためのページです。

たとえば、次のような場合です。

  1. 工場を経営しているが、工場の近くに住む人から、工場の稼働中に騒音や振動が自宅内に伝わってきて、生活できないという苦情を受けている。
  2. スーパーマーケットを経営しているが、スーパーの近くに住む居住者から、店舗外に設置されている室外機から低周波音が発生していて、夜眠れないという苦情を受けている。
  3. 建物の解体工事を行ったが、解体現場の隣の居住者から、工事中の騒音や振動による身体に対する被害や、自宅建物に工事の振動で多数の亀裂が入ったことについての損害賠償を請求されている。
  4. マンションの下の階の居住者から、足音やドアの開け閉めの音、物を動かすような音などがするという苦情を言われている。小さな子供がいるので、家の中で音を立てないように言い聞かせているが、子供のほうがいつも気を使いながら生活していて、かわいそうだ。
  5. 一戸建ての自宅にエコキュートを設置しているが、隣の住宅の住人から、エコキュートから発生する低周波音のために夜眠れないという苦情を受けている。
  6. 冬季に薪ストーブを使用しているが、隣家から、においや煙についての苦情を受けていて、薪ストーブを一切使うなとまで言われていて困っている。

 

弁護士はこのようなことができます

A 本人から苦情を言われている場合

1)弁護士が窓口となり、苦情にすべて対応します。

苦情者に連絡をとり(通常は手紙ですが、緊急を要するときは電話によることもあります)、受任したことを伝え、今後の連絡はすべて弁護士にするよう求めます。

 

2)専門的知識や経験に基づいて、苦情内容を検討します。

苦情者は、通常は騒音・低周波音・振動・悪臭や、それらに関する紛争について専門的な知識・経験を持っていないため、苦情内容は必ずしも的確なものであるとは限りません。

また、騒音や振動等に関する専門業者による測定結果報告書があったとしても、その内容や測定方法は、必ずしも、法律等(計量法、日本工業規格、環境省の騒音測定に関するマニュアルなど)で定められた方法にのっとった適切なものであるとは限りません。

当事務所の弁護士は、 騒音等の紛争解決に必要な、音などに関する知識や、騒音等についての法律や条例による規制の内容、測定方法に関する法律等の定め、さらには従来の判例などについての専門的知識や、実際の事件を扱った経験を豊富に有していますので、苦情者側の主張をそれらの知識や経験に照らして検討し、的確で十分な反論をすることができます。ときには、苦情者の協力を求めて、弁護士が騒音等の測定をすることもあります。

騒音・低周波音・振動・悪臭の分野の経験のない弁護士に依頼すると、まずそれらの専門知識について勉強してもらうことから始めなければなりませんが、多くの事件を抱えて多忙な弁護士が、短時間で十分な知識を身につけることは容易ではありません。専門的知識の豊富な当事務所にお任せください。

 

3)依頼者との間で、苦情に対して何らかの対応をするかどうかを協議します。

苦情者の主張や、客観的な測定結果等の検討結果に基づき、何らかの対応をするかどうかを依頼者との間で協議します。

2)では、苦情者側の主張を検討し、的確な反論をすることを述べました。しかし、他方で、近隣間のトラブルに関しては、隣人関係は永続的に続くことが通常であるため、できるだけ当事者間にわだかまりを残さないで円満に解決することが望ましいという性質もあります。そこで、苦情者側の主張には十分に反論しつつ、ある程度のところで矛を収めて話し合いによる解決をめざすことも必要です。

従って、たとえ、客観的な測定結果が依頼者(苦情を受けている側)にとって不利なものではなくても、妥協して、苦情者の要望に応えて何らかの対策をとることが得策と考えられる場合もあります。

そこで、何らかの対策をとるかどうか、あるいはそれを拒絶するかは、十分な検討を要します。この点についても、経験豊富な当事務所にお任せいただければ、依頼者の御意見を十分に尊重しつつ、今後の隣人関係にも配慮した適切な解決に導くことが可能です。

もちろん、弁護士は依頼者に対して十分な助言をしますが、現実の事案で対策をとるかどうかは、最終的には依頼者御本人に決断していただきます。

 

4)対策をとる場合に、専門家のコンサルティングを受けることができます。

苦情に対応して、音や臭いに対する対策をとることになった場合に、どのような対策が適切かについては、専門家の助力を得ることが望ましいです。専門家に相談することなく、素人考えで対策をとってしまうと、お金だけがかかって紛争は解決しないという結果になってしまうおそれが多分にあります。

当事務所では、音や悪臭の専門家を御紹介し、対策についてのコンサルティングを依頼することができますので、上記のような望ましくない結果を避けることができます。

ただし、コンサルティングを受けるにはそのための費用もかかりますので、実際にコンサルティングを受けるかどうかについては、依頼者に決めていただきます。

 

5)対策をとった後の問題にも対応します。

何らかの対策をとった後にも、苦情者の苦情がやまないということもあり得ます。その場合には、再度測定をして、対策の効果があったことを客観的に立証するなどして、的確に反論します。

 

B 弁護士から、対策を求める内容証明郵便が送られてきた場合

苦情者の代理人である弁護士から、対策を求める内容証明郵便が送られてきた場合の対応は、Aの「本人から苦情を言われている場合」と共通する点が多いので、以下には、特に異なる点について述べます。以下に述べることとあわせて、Aをごらんください。

 

1)苦情者の代理人弁護士に連絡をとり、受任したことを伝え、今後の連絡はすべて弁護士にするよう求めます。このことはAの場合と同じですが、弁護士の場合には、日本弁護士連合会の「弁護士職務基本規程」により、当事者の代理人弁護士は、相手方当事者にも代理人弁護士がついているときは、相手方当事者本人に直接連絡をとることが禁じられています。

従って、苦情者に代理人弁護士がついているときは、確実に対応をこちらの代理人弁護士に一本化することができます。

 

2)騒音・低周波音・振動・悪臭の紛争について、専門的な知識・経験を持つ弁護士は多くありません。このため、苦情者に代理人弁護士がついている場合であっても、その代理人弁護士の主張は、必ずしも、専門的知識や法律あるいは判例にのっとった的確なものであるとは限りません。

そこで、この場合にも、苦情者本人が苦情を述べている場合と同じく、当事務所の弁護士が、専門的知識や経験に基づいて、苦情内容を検討し、的確に反論します。

 

C 対策を求めたり、損害賠償を請求したりする訴訟を提起された場合

1)相手方(原告)の主張や証拠に対して的確な反論をします。

訴訟を提起された場合には、相手(原告=苦情者側)には代理人弁護士がついていることが多いでしょうが、Bで述べた通り、騒音・低周波音・振動・悪臭の紛争について、専門的な知識・経験を持つ弁護士は多くありませんので、その代理人弁護士の主張は、必ずしも、専門的知識や法律あるいは判例にのっとった的確なものであるとは限りません。また、騒音等の測定結果が証拠として提出されている場合であっても、その測定結果には問題があることが多いです。

そこで、AやBで述べたのと同じく、当事務所の弁護士が、専門的知識や経験に基づいて、原告の主張内容や証拠を検討し、的確に反論します。

 

2)弁護士が裁判所に出頭し、訴訟手続を進めます。

弁護士に依頼せず、御自分で訴訟に対応することになると、期日が開かれるたびに裁判所に行かなければなりませんし、裁判の経験のない方にとっては、的確な内容の書面を提出したり、法廷等で裁判官の質問に答えたりすることは容易ではありません。

弁護士に御依頼いただければ、弁護士がご本人の代理人として、裁判所に提出する書面を作成し(もちろん、提出前に書面の内容をご確認いただきます)、裁判所にも出頭します。御本人に出席いただく必要があるのは、法廷で本人尋問を行うときと、和解の話し合いをするときだけです。

 

3)和解するかどうかの検討

Aで述べたように、近隣関係は永続的に続くのが通常ですので、円満に話し合い解決ができれば、それに越したことはありませんし、裁判が長引けば、そのこと自体がご本人にとって大きな負担となります。

そこで、相手方(原告=苦情者)の主張には十分に反論しながらも、ある程度のところで妥協し、和解(話し合い)による解決をめざすことも考える必要があります。裁判官から和解を勧められることも多いです。

このような和解による解決をするのかどうかについても、弁護士が専門的な知識・経験を踏まえて依頼者に助言し、協議します。

もちろん、最終的に和解をするかどうかは御本人に決めていただくことですが、弁護士のほうから、本件は和解での話し合い解決のほうが望ましいとお勧めすることもありますので、あらかじめ御了解ください。

 

4)和解せず、判決を求める場合

和解ができなかった、あるいは和解を望まなかったために、和解せずに判決を出してもらうことになった場合には、それまでの主張・立証を踏まえて、原告の主張に対する反論を十分に行う最終的な書面(最終準備書面と呼ばれます)を提出する必要があります。この場合にも、当事務所の弁護士が、専門的な知識や経験に基づき、かつ依頼者(被告=苦情を受けている側)のご本人の意見も十分に取り入れた最終準備書面を作成し、ご本人に確認していただいた上で提出します。

 

5)判決に対する対応

残念ながら依頼者に不利な判決が出た場合には、控訴するかどうか(控訴審判決の場合には上告するかどうか)を、2週間という短い期間内に決断しなければなりません。

このことについても、専門的な知識・経験に基づき、御本人と十分に協議して、最終的には御本人の意思によって決定していただきます。

 

D 話し合い解決ができないとき

AやBの場合に、相手方との交渉がまとまらず、話し合い解決ができない場合もあり得ます。

その場合に、相手方(苦情者)の側から訴訟等の公的手続を起こしてくるのを待つという方針もあり得ますが、こちらから公的手続を起こすことをお勧めすることもあります。

その理由は、騒音・低周波音・振動・悪臭の紛争については、一般的には、裁判所における訴訟よりは公害紛争処理法に基づく紛争解決機関(国の公害等調整委員会及び都道府県公害審査会)のほうが適切であるため、相手方から訴訟を提起されるのを避けて、こちらから公害等調整委員会や都道府県公害審査会の手続をとったほうがよい場合が多いからです。

 

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