ピアノの音でお困りの方へ

まえおき

マンションであると一戸建てであるとを問わず、隣家の楽器の音による被害が問題となることはよくあります。最も多いのはピアノの音ですので、ピアノの音を前提として記述しますが、他の楽器の音の場合でも、対応方法は同じです。

 

解決までの大まかな流れ

音の測定・記録

ピアノの音でお困りの方へまず、その騒音についての客観的な証拠を残すことが望ましいです。

一番重要な情報は音量(何デシベルか)ですので、騒音計で音量を測定します。

ただ、騒音計で測定するだけでは不十分です。なぜなら、日常生活の中ではさまざまな騒音が発生しますが、騒音計で記録(測定)できるのは音量だけであり、何の音であるかという情報は一切記録できませんので、騒音計で「何デシベル」と測定された音が隣家(あるいは同じマンション内の別の部屋)から響いてくるピアノの音かどうかは、騒音計の記録だけでは全くわからないからです。

そこで、騒音計で音量を測定するのと同時に、ビデオカメラで録画・録音して、音自体を記録する必要があります。

ICレコーダーでなく、ビデオカメラであることに注意してください。ICレコーダーで音だけを記録しても、その音が被害者の御自宅で発生した音であることの証拠にはなりません。ビデオカメラで、音だけでなく映像も記録し、その音が確かに被害者の御自宅内で発生したものであることの証拠を残さなければならないのです。

このように、騒音計による音量の測定と、ビデオカメラによる撮影を並行して行い、騒音計が記録した個々の音について、その時刻のビデオカメラの映像・音声をチェックして、その音は問題になっている音(この場合にはピアノの音)であるかどうかを調べます。

ビデオカメラの映像・音声で音を記録することの目的は、もう一つあります。騒音がいわゆる受忍限度を超えているかどうかの判断にあたっては、音量だけでなくいろいろな事情が考慮されますが、音そのものに関する事情としては、音量以外に、音の発生頻度や、発生する時間帯が重要です。音そのものをビデオカメラの映像・音声で記録することによって初めて、音の発生頻度や発生する時間帯も客観的に記録でき、証拠となるのです。

測定業者は、騒音計で音量を測定してくれるだけで、このようにビデオカメラで音を記録したり、あるいは、騒音計で記録された音がピアノの音かどうかのチェックをしたりするといったことは通常はしてくれません。業者によっては、頼めばそのようなことをやってくれるかもしれませんが、費用が膨大になるでしょうし、通常は測定業者はそのようなことはしませんので、ノウハウがありません。

この点からも、騒音の測定や記録は当事務所にお任せください。

 

話し合い

ピアノの音の証拠が確保できたら、次の段階としては、ピアノの音を発生させている家の住人にその証拠を見せて話し合って、対策をとってもらうことです。

根本的な対策としては、ピアノの音そのものを小さくすることが考えられます。

ピアノに弱音装置をつけてもらうとか、住居内に防音室を作って、ピアノをその中に置いてもらうとかいったことです。

その方法をとってもらえない場合には、演奏する曜日や演奏時間、時間帯等を限定するといったことも考えられます。「ピアノの音が聞こえてくるのはこの曜日のこの時間帯だけ」「あと何分我慢すればピアノの音は終わる」といったことがわかっていれば、音そのものは同じでも、心理的にずいぶん楽になるものです。

話合いにより、ピアノの音そのものを小さくする対策をとってもらうことになった場合には、それを実施したところを実際に見せてもらい、写真で記録しておくことが望ましいです。

また、演奏の曜日や演奏時間、時間帯等を限定するといった合意ができた場合には、その合意内容を文書化し、2通に双方が署名捺印をして、それぞれが1通ずつ保管しておくことが望ましいです。

 

公的手続

話し合いで解決できなければ、公的手続をとるしかありません。公的手続の種類やそれらのメリット・デメリットについては、騒音・振動・低周波音・悪臭トラブルのさまざまな解決方法をご覧ください。

 

円満に解決したい方へ

近隣間の騒音紛争のすべてに当てはまることですが、近隣関係はずっと続くものですので、なるべくなら将来に禍根を残さず、円満に話し合いで解決することが望ましいと言えます。

そのためには、本人同士で話し合うよりは、弁護士に依頼することをお勧めします。その理由は、弁護士に相談するメリットをご覧ください。

 

弁護士に相談するメリット

騒音の証拠化(測定・記録)

先に述べたような、騒音計による騒音測定や、ビデオカメラの映像・音声による騒音の記録といった方法による騒音の証拠化は、被害者ご本人にはもちろん、地方公共団体の公害苦情相談担当者や、騒音測定業者でも困難です。騒音問題を多数手がけ、知識やノウハウを蓄積している当事務所にお任せください。

 

話し合い

相手方(ピアノの音を発生させている住居の住人)と話し合いをする場合でも、弁護士に依頼するメリットは大きいです。本人同士での話し合いでは、生の感情がぶつかり合い、ときには過去のいざこざ(騒音に関するものとは限りません)が持ち出されたりして、かえって話がこじれ、解決が難しくなってしまうことが珍しくありません。

そこで、冷静に物事を見ることができる第三者であり、かつ紛争解決の専門家である弁護士が代理人として話し合うことによって、話がこじれることなく円満な話し合い解決をすることが容易になります。

 

公的手続

話し合いで解決できず、公的手続に移行せざるを得ない場合にも、弁護士に依頼するメリットは大きなものがあります。

まず、騒音・低周波音・振動・悪臭の解決方法で述べた通り、公的手続の選択肢は複数ありますので、どの手続をとるべきかを決めなければなりません。

次に、手続が決まったとして、それぞれの機関に提出すべき書面(申請書・申立書や書証)を作成しなければなりませんし、手続の開始後も多数の書面(準備書面、主張書面、書証等)を提出する必要があります。さらに、期日において、裁定委員・調停委員等の人から発せられる質問等に対して、的確な回答や説明、意見の表明等をしなければなりません。

専門家でない被害者ご本人がこのようなことを行うのは至難のことですが、経験豊富な弁護士に御依頼いただければ、各手続の利害得失を御説明して、どの手続をとるかを決めるためのアドバイスをしますし、書面の作成や期日への出席はもちろん弁護士が行います(期日には御本人も出席できますし、弁護士のほうから出席をお願いすることもあります)。

 

損害賠償請求をしたい場合

被害者の方の多くは、騒音の被害をなくしてもらうことが第一だとお考えになりますが、それと合わせて損害賠償請求をしたいとお考えの方もおられます。また、騒音被害は今はなくなっているが、過去の被害について損害賠償請求をしたいという場合もあります。

損害賠償請求は、騒音被害をなくす(あるいは減らす)こととは異なった考慮をしなければならない問題です。何を損害として請求するのか(慰謝料すなわち精神的損害についての賠償か、医療費や薬代、あるいは引っ越し費用等の実費か)、どのような局面か(話し合いなのか、公的手続か)等によっても異なります。

従って、個々の事案の事情に応じた検討が必要ですので、損害賠償請求をしたいとお考えの方は、早期に当事務所に御相談いただくことをお勧めします。

 

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