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コケコッコー騒音? 仏で論争

2019-07-10

7月9日付朝日新聞朝刊の国際面に、「コケコッコー騒音? 仏で論争」という記事がありました。フランス西部のリゾート地であるオレロン島で、隣家の雄鶏の鳴き声が「騒音」だとして、別荘に夏の間だけ暮らす夫婦が雄鶏と飼い主を相手取り、雄鶏を別の場所に移すよう求める訴えを裁判所に起こしたというものです。

動物の鳴き声に悩まされているという御相談や御依頼をお受けすることはときどきあります。それらの案件で問題となったのは、犬の鳴き声や、鳥の鳴き声などで、ペットとして飼われている動物の他、ブリーダーが事業として飼っている動物の鳴き声の事件もあります。

この記事で面白いのは、飼い主だけでなくその雄鶏も被告になっているらしく、飼い主が「雄鶏には歌う権利がある」と主張しているとのことです。日本では、動物を被告として訴えることはできません。

また、原告は、雄鶏を別の場所に移すことを求めているそうですが、この主張も日本の裁判所では認められません。日本では、動物の鳴き声が騒音であるとして差止めの裁判を起こすとしたら、「何デシベルを超える鳴き声を原告の自宅敷地内に侵入させてはならない」という趣旨の判決を求めることになります(「抽象的不作為請求」と呼ばれます)。原告の被害をなくすためにはそれで必要十分だからです。それを超えて、動物自体を他に移せという請求が認められることはないと思います。

横田基地訴訟の控訴審判決がありました(2019.6.6)

2019-06-19

2019年6月6日に、東京高等裁判所で、横田基地に関する騒音公害訴訟(原告団による呼び名は「第2次新横田基地公害訴訟」です)の控訴審判決が言い渡されました。

私は、この訴訟の弁護団の一員ですので、公判廷で判決言い渡しを聞きました。

航空機騒音訴訟としては、1981(昭和56)年の大阪国際空港訴訟最高裁判決(最判昭56.12.16)が著名ですが、最近の航空機騒音に関する訴訟で有名なものは、すべて自衛隊や米軍の基地に関する訴訟です。

法務省の公式ウェブサイトの中に、基地関係訴訟の簡単な説明があります(法務省の公式ウェブサイトのトップページ→「政策・施策別」の「国を当事者とする訴訟などの統一的・一元的処理」→「係属中の主な訴訟の概要」→「基地関係訴訟」)。

それによると、2019年1月31日現在で各地の裁判所に係属している基地関係訴訟は以下の8件です。
・横田基地訴訟(東京高等裁判所)
・岩国基地訴訟(広島高等裁判所)
・普天間基地訴訟(福岡高等裁判所那覇支部)
・普天間基地訴訟(那覇地方裁判所沖縄支部)
・嘉手納基地訴訟(福岡高等裁判所那覇支部)
・厚木基地訴訟(横浜地方裁判所)
・小松基地訴訟(金沢地方裁判所)
・新田原基地訴訟(宮崎地方裁判所)

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