イギリスの新聞であるデイリーメール(Daily Mail)に、7月8日付で、船から発生する海中の騒音のためにムール貝がストレスを感じ、成長が阻害されるおそれがあるという記事が出ています(デイリーメールのオンライン版で、検索窓に”mussels”と入れて検索してみてください)。
これは、イギリスの大学の海洋科学者のグループによる研究結果です。それによると、ムール貝は、耳はないけれども、環境中の騒音のレベルの変化を感知することができるそうです。
船から発生する騒音のストレスによって、直ちにムール貝にとって致命的あるいは危険な影響があるわけではないけれども、長期的には、ムール貝の成長が妨げられ、生息数が減少するおそれがあるとのことです。
この記事を見て連想するのは、風力発電の風車の音の影響です。風力発電の風車から発生する騒音や低周波音が人の身体に悪影響を及ぼすおそれがあることは、近年注目されており、このことを考慮して、最近は風力発電設備を陸上ではなく洋上に建設することもあるようです。
洋上に建設すれば、人の身体に対する影響は防げるかもしれませんが、海中の魚などの生物に対して、風車の騒音や低周波音が悪影響を及ぼすことはないのでしょうか。
実際に、風力発電の建設予定地では、漁業関係者から、風車の音による魚への影響を懸念する声があがることがあるようです。このような問題があることには留意しておくべきだと思います。