Archive for the ‘ニュース’ Category

水中の騒音がムール貝の成長を阻害するおそれ(イギリス)

2019-07-13

イギリスの新聞であるデイリーメール(Daily Mail)に、7月8日付で、船から発生する海中の騒音のためにムール貝がストレスを感じ、成長が阻害されるおそれがあるという記事が出ています(デイリーメールのオンライン版で、検索窓に”mussels”と入れて検索してみてください)。

これは、イギリスの大学の海洋科学者のグループによる研究結果です。それによると、ムール貝は、耳はないけれども、環境中の騒音のレベルの変化を感知することができるそうです。

船から発生する騒音のストレスによって、直ちにムール貝にとって致命的あるいは危険な影響があるわけではないけれども、長期的には、ムール貝の成長が妨げられ、生息数が減少するおそれがあるとのことです。

この記事を見て連想するのは、風力発電の風車の音の影響です。風力発電の風車から発生する騒音や低周波音が人の身体に悪影響を及ぼすおそれがあることは、近年注目されており、このことを考慮して、最近は風力発電設備を陸上ではなく洋上に建設することもあるようです。

洋上に建設すれば、人の身体に対する影響は防げるかもしれませんが、海中の魚などの生物に対して、風車の騒音や低周波音が悪影響を及ぼすことはないのでしょうか。

実際に、風力発電の建設予定地では、漁業関係者から、風車の音による魚への影響を懸念する声があがることがあるようです。このような問題があることには留意しておくべきだと思います。

 

コケコッコー騒音? 仏で論争

2019-07-10

7月9日付朝日新聞朝刊の国際面に、「コケコッコー騒音? 仏で論争」という記事がありました。フランス西部のリゾート地であるオレロン島で、隣家の雄鶏の鳴き声が「騒音」だとして、別荘に夏の間だけ暮らす夫婦が雄鶏と飼い主を相手取り、雄鶏を別の場所に移すよう求める訴えを裁判所に起こしたというものです。

動物の鳴き声に悩まされているという御相談や御依頼をお受けすることはときどきあります。それらの案件で問題となったのは、犬の鳴き声や、鳥の鳴き声などで、ペットとして飼われている動物の他、ブリーダーが事業として飼っている動物の鳴き声の事件もあります。

この記事で面白いのは、飼い主だけでなくその雄鶏も被告になっているらしく、飼い主が「雄鶏には歌う権利がある」と主張しているとのことです。日本では、動物を被告として訴えることはできません。

また、原告は、雄鶏を別の場所に移すことを求めているそうですが、この主張も日本の裁判所では認められません。日本では、動物の鳴き声が騒音であるとして差止めの裁判を起こすとしたら、「何デシベルを超える鳴き声を原告の自宅敷地内に侵入させてはならない」という趣旨の判決を求めることになります(「抽象的不作為請求」と呼ばれます)。原告の被害をなくすためにはそれで必要十分だからです。それを超えて、動物自体を他に移せという請求が認められることはないと思います。

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